不均衡症候群とは

体がまだ透析になれていない透析導入期によく見られます。症状としては腹痛・めまい・吐き気・頭痛などです。
透析を行うことで体内の血液中の老廃物が急速に除去されて綺麗になりますが、脳の中の老廃物は除去されにくく、体と脳との間に濃度差が生じてしまいます。そのため、脳の中の老廃物を薄めようとして脳は水をどんどん吸収するために脳がむくみ、脳の内圧が高くなることで引き起こされる症状です。体が透析になれていけば徐々に起こりにくくなります。予防には水分や塩分、タンパク質の制限を守る事と、穏やかな透析を行うことです。当クリニックでは不均衡症候群を起こさないように、グリセオールという点滴や透析条件を体が慣れるまで緩くし徐々に慣らしストレスの少ない透析導入のサポートを心がけております。

高血圧とは

透析を始めた時は、多くの方に高血圧が認められます。頭痛、イライラ、吐き気、夜ぐっすり寝れないなどの症状があります。高血圧の主な原因は、水分の摂り過ぎで体内の余計な水分が尿として排出されないため起こります。体重増加(水分摂取)に気をつけることが大事です。目安としては中1日で体重の3%、中2日で体重の5%の増加が理想とされています。また高血圧は動脈硬化、心臓病、脳卒中、視力障害(眼底出血)などの原因にもなります。

低血圧とは

低血圧は最も発生率が高い合併症といえます。特に血圧低下を起こしやすい症状として、高齢、糖尿病、低栄養、貧血、心機能障害などが挙げられます。自覚症状としては、あくび、吐き気、嘔吐、頭痛、動悸、冷や汗などがみられます。透析での除水による循環血液量の減少に加え血管収縮能の低下、心機能障害が原因と考えられます。また長期間透析を続けていると、次第に低血圧に移行する事があります。透析が困難になったり、めまいや全身倦怠感など日常生活に支障をきたす人もいます、中には無症状のこともあります。対策としては、ドライウェイトをあげる、透析時の除水量を少なくする、バランスの良い食事をとるなどです。また低血圧治療剤を使用することもあります。低血圧が頻回に起こってしまうとシャントトラブルや循環器障害をきたしやすくなるので注意が必要です。透析中だけでなく透析をやってない時も低血圧になる場合は早めにスタッフまたは医師に報告してください。

貧血とは

腎不全になりますと、腎臓で作られている造血ホルモン(エリスロポエチン)の分泌が低下し、貧血になります。また、血液中の尿毒素が増加することによって出血しやすくなったり、赤血球の寿命が短くなったりすることも貧血の原因です。症状は、疲れやすくなる、手足のだるさ、階段の上り下りの時の息切れや動悸などです。エリスロポエチンや鉄剤の注射などで改善されます。また予防には十分な透析をし食事をしっかりとり適度な運動を心かけることです。また透析液中にエンドトキシンと言われる発熱物質が含まれている場合でも貧血を起こす為、綺麗な透析液が必須となります。

感染症とは

透析患者様は一般的にウイルスや菌の感染に対する抵抗力が低下しております。2日に一度シャントに穿刺を行う為、穿刺部から細菌が侵入して起こるシャント感染と尿量が少ないために起こる尿路感染、風邪をこじらせて起こる肺炎、結核、輸血によるウイルス性肝炎などがあります。予防には、シャント部は常に清潔を保つ、栄養を十分にとるなどです。

二次性副甲状腺機能障害とは

腎不全になると、リン(P)が腎臓で排泄されなくなり高リン血症になります。リンが上昇すると腸でのカルシウム(Ca)の吸収が悪くなり、血液中のカルシウムの濃度が下がってしまいます。そのため、カルシウム濃度を上げようとして副甲状腺という器官から副甲状腺ホルモン(PTH)という物質を分泌します。副甲状腺ホルモンは、骨を溶かし血液中のカルシウム濃度を上げようとする働きがあります。この現象が続くともろくて骨折しやすい骨となります。予防には高リン血症を防止すること、骨の薬を服用することなどです。高リン血症を予防するには、透析によるリンの除去が限られているため、リンが多く含まれているタンパク質の摂取量を調整することが大切です。1日のタンパク質の摂取量の目安は、標準体重1kgあたり1.0~1.2gです。また、リンの吸収する薬をちゃんと食直後の胃にまだ食事が残っている時に内服する事が大事になります。

アミロイド骨関節症とは

5年や10年など長期間透析を続けていると、アミロイドという物質が骨や関節に沈着し、骨や関節、肩や首などの痛みやしびれ、麻痺などの症状が出ることがあります。付着する場所により名前が変わり多関節痛・手根管症候群・バネ指などがあります。アミロイドという物質は血液中に含まれるβ2-ミクログロブリンという物質が腎不全により血中濃度が高くなることで関節や神経の周りに付着し形成されます。血液透析ではβ2-ミクログロブリンほどの大きい物の除去は難しい為、オンラインHDFという治療をする事で発症又は再発を遅らせることが期待できます。

高カリウム血症とは

果物、生野菜、肉や魚の生ものなどカリウムを多く含む食品を摂りすぎると発生します。症状は、手足のしびれ、重い感じ、口のしびれ、脱力感、知覚異常、味覚異常、違和感などがあり、さらに血液中のカリウムの値が上がると脈が乱れ、心臓が止まることもあり大変危険です。予防には、食事によるカリウムの摂取量に注意することが第一です。カリウムは水に溶けやすいので、調理前に水にさらしたり湯でたりすることで、カリウム量を1/3~1/2程度まで減らすことができます。また、便秘や下痢、食欲不振などによるカロリー不足、体内での出血、発熱、透析不足などでもカリウム値は上昇するので注意が必要です。食事に気をつけていてもカリウム値が高い人は薬を服用します。

レストレスレッグス症候群(ムズムズ脚症候群)とは

自覚症状はじっとした姿勢や横になったりしていると「むずむずする」・「イライラする」・「じっとしていられない」・「痒い」などの異常な感覚が現れ不快感は人によって様々な言葉で表現されます。主に睡眠中や安静時に出現し体を動かすと一時的に改善しますが、症状を押さえる為に常に体を動かさなければならない状況になり睡眠障害の要因や日常生活に大きな影響があります。原因としては、遺伝、ドパミン異常、鉄の欠乏によるドパミン量減少などがあります。血液透析を行っている患者様の発生頻度は一般より高く20~40%にも達すると言われています。症状が軽い方は喫煙、飲酒、カフェイン摂取の制限や規則正しい生活など生活習慣の改善でよくなる時もあります。また透析を行っている患者様では、血液の中のα-1ミクログロブリンという大きい分子量の領域を積極的に除去してあげると改善すると報告されております。普通の血液透析ではその領域は排泄できないためオンラインHDFを行っております。